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2010年08月24日
夏バテがあって、冬バテはあまり聞きません。
それはおそらくこういう訳なのでしょう。
あなたの血液の全体量は一年中で変わりません。
そして、人間は、汗をかく少数派の動物です。
人の血液は、代謝産物の輸送のついでに、体温調節の役目もしています。
夏は暑いので、上昇気味の体温を下げるため、手足や、皮膚の血管を拡げ、血流をよくし、皮膚細胞や汗腺を通して
たくさんの 汗をかいて、蒸発する時に、熱が奪われるのを利用して、体を冷やします。
さもなければ、体温40度で、茹で上がっちゃいます。
外界には、プラスマイナス数十度、およそ100度の環境に適応しても、体内は、せいぜい10度以下の変化しか受け付けません。
たんぱく質は70度で変性しますし、酵素活動の最適温度は36度の前後せいぜい数度の幅です。
夏の血液分布は、水と温度の供給源として体表側に多く、内臓側に少なくなりがちです。
さて、食事をすると、消化吸収のために、胃や膵臓、肝臓、腸などに、普段の20%も多く、血液が集まってきます。
だから、食事をすると脳血流も減って、眠くなるのです、、
、、そのハズです。
ところが、夏は、あいにく、気化熱による体温調節用に血液がとられ、「食事だぞ、手すきな血液は集まれ!」と号令をかけても不足しがちという事態になります。
仕事の時間は、最近まで、多くの人にとって、夜明けから日没までです。梅雨後の晴れ間、1日は長い。
遅れを取り戻そうと、汗をかいて仕事ははかどっても、喉が渇いて、水っ腹。夜は暑くて、眠りが浅くリズムが取りづらい。
おまけに、食べても、体表部に出張中の血液が多く、消化器官に血液が集まらない。
そのうえ、食べ物が貧弱ときた日にゃあ。
(口当たりの良い、あっさりした食事になりがちです。)
どうです? 夏バテしない訳はない。疲れがたまった状態になります。
冬は、反対です。
汗で水を吸い上げるのは、毛細管現象で末梢血流の大きな原動力ですので、完全に止める訳には行きませんが、
何とか皮膚から熱を逃がすまいと、手足の血管を縮めて毛穴を閉じます。
それでも足りないと、ぶるぶると、体毛を逆立たさせて熱をおこします。
と言う訳で、冬、体表側の血液が減ると、内臓側は、豊富な血液量になる。
体が、縮こまって震えていても、食べ物を口に入れれば、胃や腸は、十分な血液に助けられて、消化吸収はなんとかなる、
しかも夜は長い。体を温めてゆっくり寝ていればいいのです。
つまり食べさえすれば、体力が回復し易いのです。
夏とは様変わりです。それで、冬バテしにくいのです。
2010年08月26日
寒い所は、食べ物が腐って腐敗することも少なく、取りあえず、温めて 胃に入れさえすれば、消化吸収は大丈夫。
ところが、熱帯地方じゃそうはいかない。1年じゅう 内臓の血液量が不足してしまう。
食事の時、胃や腸に、軽く擬似炎症を起こさせて、何事? と血液を 軽く召集して、内臓側に、血液を 集めることから始めなくては。
そのため、熱帯地方に、胃や腸に強烈な刺激を与える、香辛料が発達したのでしょう。
反対のように思えますが、熱帯地方こそ、”ピリ辛料理” が似合うのです。
寒い所は、口当たりの熱さで十分です。
熱帯の香辛料の豊富さは、創造の妙です。
ヨーロッパの肉食に必要な香辛料は熱帯産が多いです。
薬草採集の原点でもあります。
似たものは、似たところで探せ、似たもので治せ。
お読みいただき ありがとうございます。
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