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脾とは、なーに?

“食べる” ということについて、

生命とは?

人間として最重要の “精神活動
に至る 前提として、
生命活動とは、大きくは、
体に捕らわれ、過ぎ行く、
炭素、酸素、窒素の変遷に他なりません。

炭素の構成力、酸素の結合力、窒素の統率力です

そして、中国伝来の医学は、
これら、原則 “入(い) るもの” に対応する体の生理機能を、
“脾”と名づけ、理解しようとしました。

“脾” ってな~に? その1.

人の脾臓は、主に、血球の 研修施設であり、
退役、予備役の集合所を兼ねた臓器とされます。

漢方の とは、現在の脾臓ではありません。
脾とは、漢方の、肝、心、脾、肺、腎の
5つの生理機能を象徴するその 脾です。

脾” ってな~に? その2.

例えば、”食べる” ”飲む” に対する水の出入りを考えます。

食物や、飲料で、入ってくる水分は、約2~3L(リットル)です。
それに伴い、唾液で 1L、胃液など消化液で 3L、腸液で 2.5Lなど、
計 数Lの 体内の水分も、流れ込みます。

一方、出て行く水分は、小便、ウンチ、皮膚汗腺で 約2~3L
と、ほぼ 口にする量と釣り合っています。

数Lの水分は、再利用されているわけです。 つまり、

飲食の度に、体内の数Lの水分が、大量移動しています。

雨、地下水、伏流水、水の名、水、、、

既に体にあるものの、変化によっても、水は、発生します。
生きるエネルギーは、最終的に、
2酸化炭素と尿素と、水 に変えることですし、
構造物や生理物質の補修、製造でも水は、
組み込まれたり、放出されたりします(代謝水)。

この、代謝水の発生は、緩やかで、
同じく不断の呼気中の 水蒸気の排出量と、おしゃべりで、
相殺されます。

つまり、”食“ は、
通常生理とは桁違いの、体内水分の大量移動を伴うのです。
如何に、タイムラグを考慮しようと、
急激な出入りは、血流だけでこなせるものではないでしょう。

ところが、水、、、

人間は、通常、体側からの要求に答えず、
トンチンカンなことをしがちなもので、
殊に ”食べる” ことでは、
美食、深酒、偏食、ドカ食いもあれば、
断食もあります。

それにもかかわらず、体は、明日になれば、
何事も無かったかのように、振舞います。
何事もなかったのです。

再び、“脾” ってな~に?

“入(い) るもの” に関わる、
血液配分も、エネルギー配分も、免疫配置も同じです。

漢方の“脾”とは、飲食に関する、
体勢整備機能全般を、象徴させたものと思われます。

そこでは、ごく自然に、水分や、血流や、エネルギー源や、
免疫配置などの大量移動が、
秘かに、優柔不断に制御されているのです。
だから、何事もなかったわけです

こうして、“入(い) るもの” に関わる体の機能を、
漢方は、“脾” と名づけ、
理解しようとしたのだしょう。

つづく、、


御礼!

これら脾、糖尿の項などの編集について、
故 堀尾 武一先生(元大阪大学名誉教授)の 
記碩に多くを学びました。御礼申し上げます。

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